私が妊娠糖尿病に!?糖負荷試験と食事のコントロールについて徹底解説

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臨床検査技師ママライター。年収100万以上も下がった事に危機感を抱き、副業webライターとして2021年より活動を始める。

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お疲れ様です。臨床検査技師で妊娠糖尿病になったるかです。ご覧いただきありがとうございます。

この記事にたどり着いたあなたは「妊娠糖尿病になった」「検査で引っかかってしまった」「妊娠糖尿病の食事管理がわからない」などの悩みがある方でしょう。

私自身、ネットで検索しても妊娠糖尿病になった方の記事に出会うことが出来ず、もやもやしながら生活しておりました。

この記事では、妊娠糖尿病の検査方法と、妊娠糖尿病になってからの食事管理について私の経験談も入れながらお話ししたいと思っています。

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妊娠糖尿病とは?

妊娠糖尿病(GDM)とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常のことです。妊娠前から糖尿病だった方や、妊娠中に明らかな糖尿病と判断された方は妊娠糖尿病ではなく、糖尿病合併妊娠と呼びます。

糖代謝異常になると、すい臓からでるインスリンの働きが弱くなり血糖の調節が上手くいかず高血糖状態が続きます。

妊娠中の採血や尿検査で一定の基準値を超えてしまうと妊娠糖尿病と診断され、2022年10月現在は妊婦の約12%が当てはまる妊娠中のトラブルの1つです。

妊娠糖尿病になりやすい人はどんな人?

妊娠糖尿病になる方は12%ですが、どのような特徴の方が妊娠糖尿病になりやすいか知っていますか?ここでは妊娠糖尿病になりやすい方の特徴をお伝えします。

  • 糖尿病の家族がいる
  • 肥満
  • 35歳以上の高年齢出産
  • 巨大児分娩既往歴(4000g以上)
  • ストレスが多い
  • 尿糖の陽性が続く
  • 羊水が多い

いかがでしたか?当てはまる項目が1つでもありましたか?私は、妊娠20週をすぎてから尿糖陽性が続きましたが、その他に当てはまる項目はありませんでした。

遺伝やストレスでも妊娠糖尿病になりますので、「つわりでアイスばかり食べたから」とか「偏ったものばかり食べていたから」とあまり自分を責めないで大丈夫ですよ。

妊娠糖尿病で起こる母子への影響

妊娠糖尿病は、症状がかなり進行するまで自分で気付くことはできません。痛い、かゆいなど体に変化がないからです。それではなぜ、妊娠中に検査をしてまで、早期発見をしなければいけないのかわかりますか?答えは下記にあるような母子への影響があるからです。

 

母親への影響胎児への影響
巨大児による難産胎児仮死・死亡
羊水過多巨大児
流産・早産先天性奇形
出産後の糖尿病の持続心臓肥大
網膜症・腎症低血糖
妊娠高血圧症候群黄疸

これらは、リスク因子であり、絶対に起こるものではありません。しかし、リスクはできるだけ回避したいですよね。

検査で妊娠糖尿病になってしまったら、できるだけしっかりと血糖管理をしていくことが重要になります。

妊娠糖尿病は何の検査でわかるの?

妊娠糖尿病を知るには、普段の妊婦検診項目の「血糖値」と「尿糖」を検査します。病院によってはHbA1c を測定していることもあるでしょう。ここで異常値になると「糖負荷試験」にうつります。※尿糖の場合は、何回か陽性になったら糖負荷試験をします。

産院によっては妊娠中期になると必ず糖負荷試験である「50gOGTT」を行い、基準値を超えると再検査で「75gOGTT」を行うこともあります。産院によって対応はバラバラです。

【血糖、尿糖の基準値】

空腹時血糖(食事をとらない状態の血糖):100mg/dl未満(95mg/dlのところもある)

随時血糖(通常の血液検査で食事をとっていてもOK):2時間値で140mg/dl未満

HbA1c:6.1%未満

尿糖:(-)

【糖負荷試験の基準値】

50gOGTTの正常値:140mg/dl未満

75gOGTTの正常値: 空腹時92mg/dl未満、1時間値180mg/dl未満、2時間値153mg/dl未満

私の職場では、妊娠中期に全員50gOGTTを行っていますが、通院していた産婦人科では、血糖や尿糖で異常値になったら75gOGTTを行う方法が採用されていました。

最終的に、75gOGTTで1つでも異常値に当てはまると妊娠糖尿病と診断されます。

50gOGTTと75gOGTTの違い

50gと75g、グラム数が違うだけ?と思われると思いますが、前日の過ごし方も違います。ここでは、2つの検査の違いについてお伝えします。

50gOGTT

50gのブドウ糖が入った150mlの炭酸水を飲む検査です。

妊娠中期にスクリーニング検査として行われ、糖負荷試験の前日、当日共に食事制限はありません。普段通りの生活をして、炭酸水を飲み、1時間後に採血検査をすることになっています。

検査中は飲食などしないようにしてください。

75gOGTT

75gのブドウ糖が入った225mlの炭酸水を飲む検査です。血糖、尿糖で再検査になった方、50gOGTT で再検査となった方が対象です。

糖負荷試験の前日は夜の8時~9時までに夕食をすませ、朝食も食べてはいけません。空腹時血糖の採血をするためです。空腹時、30分値、1時間値、2時間値の採血、採尿をして終了です。検査中の飲食は禁止です。

75gOGTTの場合、朝食を抜くので朝1番の検査となります。また、どちらも採血の5分前には採血室に待機するようにしてください。時間通りに採血をしなければ後日やり直しになることもあります…。

また明らかな糖尿病の方は、危険なので負荷試験を行いません。

正常な妊婦の1日に必要なカロリーは?

妊娠糖尿病の検査方法は理解したと思うのですが、ここからは、妊娠中の食事についてお話ししたいと思います。

まず、1日の総摂取カロリーは次の計算で求めることができます。非妊娠時の標準体重×30kcal(標準体重=身長m×身長m×22)です。

身長が150㎝だとすると、1.5×1.5×22=49.5kg(標準体重)なので、49.5×30kcal=1485kcalが総摂取カロリーになります。

妊娠中はその総摂取カロリーに以下のようなカロリーを追加します。

妊娠初期 +50kcal

妊娠中期 +250kcal

妊娠後期 +450kcal

 

妊娠糖尿病になった場合の血糖コントロール値

妊娠中は、普通の糖尿病患者よりも血糖管理が厳しくなっています。胎児への影響を考慮すると、糖尿病患者よりも厳しくなるのは仕方ないですよね。

食前血糖値は 70~100mg/dl(糖尿病患者110mg/dl以下)

食後1時間値 <140mg/dl

食後2時間値 <120mg/dl (糖尿病患者140mg/dl以下)

HbA1c <6.0~6.5%

血糖測定器を使用して、食前、食後の血糖値を測定します(医師の指導の下に測定する時間は決められます)。食後の血糖値は75gOGTTで高かった時間で測定することが多いです。私は朝食前と、2時間値の測定を週3回(月・水・金)していました。

推奨されている食事管理

妊娠糖尿病の方は、血糖をコントロールするために食事療法を行いますが、糖尿病の方とは違い、赤ちゃんがお腹にいるため、適切な栄養を取りながらバランスよく食べる治療法を行います。

1.規則正しい時間に食べる

生活リズムを整え、食事の間隔が一定になるよう調整します。食事を抜くと、次に食べた時に血糖値が急激に上昇してしまうので、高血糖の原因になります。また、不規則な時間に食べることも、食事の間隔が乱れるので血糖のコントロールが難しくなります。

2.バランスよく適量を食べる

1日の適正カロリーを3等分にし、朝・昼・夜に分けて食べるようにします。朝は炭水化物だけ、お昼は野菜のみ…では意味がありません。主食・主菜・副菜をそろえ、バランスよく適切な量を食べましょう。3食でコントロールできない場合は6回食になることもあります。(医師の指導による)

もし間食をする際は、間食のエネルギーも忘れずに計算します。

3.極端な糖質制限はしない

食事療法の目的は、母親の血糖値をコントロールし、赤ちゃんの成長に必要な栄養素を摂取することです。極端な糖質制限は赤ちゃんに栄養が行かなくなるので、必ず炭水化物などの糖質を取りましょう。

糖質制限をする事となった場合は、医師や栄養士に指導された方法を守りながら糖質制限を実践してください。

4.食べる順番や速さに気を付ける

野菜→肉・魚→炭水化物の順番に食べます。食物繊維は血糖値の上昇を抑える働きがあり、ゆっくり噛んで食べることで急な血糖値の上昇を抑えることができます。野菜からとは書いてありますが、サラダや温野菜というわけでなく、みそ汁でも良いです。急激に血糖値の上がるような食べ方はやめましょう。

るかが実践したこと

上記を踏まえてさらに私が実践したことを紹介します。

1.6回食にする

私は、3回食では血糖値が140以上ありました。そこで分食することにしました。私の場合、パスタやうどんは白米よりも血糖値が上がってしまったので白米をメインにし、1回50-70g食べていました(かなり少な目ですね)。野菜や魚・お肉はしっかりとっていましたし、妊娠後期でお腹が圧迫されてしまい少ない量ですぐに満腹になっていたと思います。

2.雑穀米を加える

白米だけでは血糖値が上がりやすいので、低GIと呼ばれる玄米や雑穀米を混ぜて少しでも食物繊維を多く含む食事に変更しました。パスタが食べたいときは、小麦ではないものを買って作っていました。

玄米だけで食べられる方は、玄米ご飯が一番低GIで良いですよ。

3.飲料は水かお茶

ジュースはどのくらい糖が含まれているのかわからないので、極力麦茶を作って飲んでいました。ペットボトルのジュースよりも安心して摂取できると思ったからです。

ペットボトルを購入する際も、お茶をメインに購入し、水も味のついたものではなく無味の天然水を飲んでいました。

4.おやつは低GIのもの

どうしてもおやつが食べたい日もあったので、低糖質のお菓子を好んで食べていました。さらに全量食べるわけではなく、何日かに分けて摂取していました。

ローソンやファミリーマートには低GIの商品(ロカボ)商品がたくさん売っていて、選ぶのも楽しかったです。

5.カロリー入力できるアプリを入れた

カロリーの入力ができるアプリを入れ、管理していました。市販の食べ物は入力が簡単ですし、自分で作ったものはカロリー計算ができるサイトで計算してからアプリに入力して、いつでも総摂取カロリーを目視できるようにしていました。

大体で管理すると私の場合は食べ過ぎてしまうので、しっかり管理したい方にはおすすめです。

血糖コントロールは難しいのか?

正直に申しますと、難しかったです。切迫早産で薬を服用していたので余計に血糖値が上がりやすくなっていたのですが、それを除いても管理は大変でした。例としてお家ご飯と入院ご飯の写真を載せますね。

おうちご飯では、切迫早産で何もできない私の代わりに、母が野菜を毎日用意してくれてすごく助かりました。調味料を使わないことも多く、減塩、糖質に気を使いましたが、ストレスにならないようにたまに甘いものを分食して食べていました。

まとめ|妊娠糖尿病のコントロールは医師と相談して行おう

妊娠糖尿病の食事管理は、お母さんと赤ちゃんの両方を考えてコントロールしなければいけないのでとても大変ですよね。

どんなに努力をしても血糖のコントロールが上手くいかないこともあります。一喜一憂することもあると思いますが、ぜひ医師と相談しながら、自分に合うやり方を探して実践してみてください。

 

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