
臨床検査技師として働きながら5年かけて細胞検査士を取得したるかです。
臨床検査技師の学校だって高いのに細胞検査士の養成所なんて通えない!細胞検査士になりたいと思った時にはもう現場で働いていた!という人もいるのではないでしょうか?
医療系の資格はお金がかかって大変ですよね。私は、専門学校でお金がかかったので、細胞検査士の養成学校に行きたいとは親に言えませんでした。
今回は、働きながら細胞検査士の資格取得を目指す方法や、試験内容を解説していきます。
細胞検査士の合格率はどのくらい?
細胞検査士の合格率は一次試験約50%、二次試験約50%。全体の約25%が合格する難易度高めの試験です。
合格者推移【一次試験】
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 643人 | 298人 | 46.3% |
2021年 | 629人 | 405人 | 64.4% |
2020年 | 522人 | 318人 | 60.9% |
2019年 | 597人 | 319人 | 53.4% |
2022年は例年よりもかなり合格者が少ないですね。2021年・2020年は60%前後の合格率を保っていたため、二次試験のみの受験者が多くなってしまっていた可能性があります。では二次試験はどうでしょう。
【二次試験】
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 476人 | 245人 | 51.5% |
2021年 | 559人 | 309人 | 55.3% |
2020年 | 435人 | 253人 | 58.2% |
2019年 | 483人 | 236人 | 48.9% |
「一次試験で半分落ちるのに人数多くね…?」と思いません?実は一次試験が合格していれば次の年は二次試験から受験可能です!(2回目はないですよ)
細胞検査士の受験資格と試験内容は?
細胞検査士の受験資格と試験内容が分からないことには受験できませんよね?どんな人が細胞検査士になれるのか、試験内容はどんなものなのか徹底解説します。
細胞検査士の「受験資格」
まず絶対条件は以下の2つあります。
- 「臨床検査技師」または「衛生検査技師」であるもの
- 細胞検査の実務に1年以上の従事をしたもの
- 細胞検査士養成所あるいは養成コースのある大学を卒業・卒業見込みであるもの
現在「衛生検査技師」を養成している学校はありません。臨床検査技師であるだけでなく細胞検査の実務に1年間従事していることが条件なので注意しましょう。
細胞検査士の「試験内容」
細胞検査士の試験内容は一次試験に筆記・画像試験、二次試験に鏡検・実技があります。
試験 | 種類 | 内容 | 問題数と時間 |
一次試験(10月下旬) | ・筆記試験 ・画像試験 |
総論・技術・婦人科・呼吸器・体腔液・その他 | ・120問 2時間30分 ・ 60問 1時間 |
二次試験(12月上旬) | スクリーニング試験 | 標本をスクリーニング。両悪の鑑別や病変の推定する | 約30問 1標本5分 |
同定試験 | 指定されている細胞の組織型を推定する | 約15問 1標本1分30秒 | |
標本作成試験 | 体腔液(1枚)と喀痰(2枚)を作成する | 時間は3分以内に固定まで。 |
点数には含まれませんが二次試験には面接もあります。雑談や意気込みなど簡単な面接のため練習は不要です。
一次試験と二次試験は日程が別日のため、まずは筆記試験の勉強から始めましょう。
病理or細胞診ができる施設に入職するのが必須
細胞検査士の条件は「細胞検査を1年以上従事したもの」でしたよね。ということは、まず病理部がある施設or細胞診を扱う部署があることが必須です。
全く携わっていない臨床検査技師が細胞検査士になることはできないため注意しましょう。
細胞診がある部署に配属されていない場合は受験できないの?
病理・細胞診の部署に配属されていないとお困りの方に朗報です。私が細胞検査士の勉強会に参加していた時に出会った人の中には、「細胞検査士合格したら部署替えしてあげる」と言われて参加している人もいました。
実際に、病理・細胞診に配属されていなくても、所属長からOKが出ていれば試験を受けること自体は可能です。
しかし、試験の内容はスクリーニングや実技が必須のため、細胞診に携わることが不可欠であるのは間違い無いでしょう。
施設に細胞診がある場合は、夕方や暇な時間を見つけて勉強させてもらってくださいね。

私は同じグループ病院にお願いしてスクリーニングの勉強をさせてもらっていました!
細胞検査士の勉強はどのくらい大変?
仕事をしながら細胞検査士を取得するにはかなりの時間が必要です。私の場合の勉強スケジュールは以下でした。
平日 | 土日 | 勉強会の日(平日) | 勉強会の日(土日) | |
午前 | 仕事の合間にスクリーニングや筆記の勉強 | 2〜3時間試験勉強 | 9時〜12時 | |
午後 | 仕事の合間にスクリーニングや筆記の勉強 | 4時間程度試験勉強 | 13時〜17時 | |
終業後17時以降 | 筆記・スクリーニングを23時ごろまで | 23時ごろまで試験勉強 | 19時〜21時まで勉強会 |
私は平日は約5〜6時間、休日は8〜12時間勉強していました。
筆記試験のシーズンはひたすら筆記の勉強です。筆記試験は解答がないため、職場にある規約を引っ張り出して全部解答を作成していました。
過去5年分やるのはかなりの作業量があったのを覚えています。
使用していた教科書はこちら。
以上の三冊に加えて、病理部にある細胞診の規約や、先生向けの参考書を借りて筆記試験に立ち向かいました!!
それでも5年かかってしまったのは私の努力不足です…。
二次試験は夜中まで職場でスクリーニングしていました。家ではアトラスを見るしかできないので…
たまに当直者に「まだいたの?」とびっくりされることも…。そのくらいハードです。
二次試験はこちらのアトラスをよく参考にしていました。
まとめ:細胞検査士は努力と周りのサポートが必要
細胞検査士になるには、先輩や職場の上司の協力も不可欠です。一人で悩まずに、細胞検査士を受けたいこと・勉強したいことを伝えて、合格まで頑張りましょう!!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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